この後の予告

聡は、出発ゲートに向かって一歩を踏み出した。

  ア キ ラ……

――将?

急に聡が足を止めたので、博史は傍らを振り返る。
聡は……まるで誰かに呼び止められたように……後ろを振り向いていた。

いまの声。たしかに、将だった。
将が、背後から自分を呼んだ。はっきりと聞こえた。

聡は、ラウンジにいる人々の中に、すでに懐かしいその面影を探す。

* * * * *

「傷は、腹部大動脈まで達しており、出血多量による心肺停止状態に陥っています」

「それで、将は……」

病院長による説明に康三はソファから立ち上がらんばかりに上体を乗り出した。

「現在、蘇生術を施していますが、心肺停止状態に陥ってから30分以上が経過しています……」

病院長は顔を伏せた。その先は、聞くまでもなかった。

この病院に到着したとき、すでに将の心臓は止まっていたのだ……。

呆けたような夫の傍らで純代はひたすら祈っていた。

――どうか、大おじいさま……、将をお助けください。将を連れていかないでください。お願いします。

禁断の恋は、急転直下へ――!将は、聡は……。